今回は灘高校の小問集合,⑵を解いていきます。
‘‘2023’’関連の問題ですが,様々な数値で類題が作れそうです。
問 の方程式 が整数解をもつような整数のうち,
の絶対値が最も小さいものを求めよ。
※下は解答になっています
解答 の満たすべき条件を求めてから,をに近づけていきます。
方程式 が整数解をもつとする。
このとき,
①と②の一次の項を比較すると,
①と②の定数項を比較すると,
③,④より,
⑤を満たす自然数のうちで,に近いものを考える。
などを知っていると,は大体くらいと予想できる。
のとき,⑤より
のときは,であるから考えなくてよい。
のとき,⑤より
のときは,であるから考えなくてよい。
以上より, ・・・・・・・・答
実質,解と係数の関係を使っています。高校範囲ですが簡単に導出できます。
<解と係数の関係>
の二次方程式 が を解に持つとすると,
であるから,
なお,解と係数の関係を使わない別解もあり,寧ろこちらの方が一般的だと思います。
別解 二次方程式 の解は,解の公式を用いると,
となる。これが整数になるためには, が奇数となる必要がある。(※)
を最小にするために,奇数の平方でに近いものを考える。
であるから,
のとき,
のとき, であるから,考えなくてよい。
のとき,
のとき, であるから,考えなくてよい。
以上より, ・・・・・・・・答
(※)で とおくと,
となり,解答と同じ形が得られます。
いかがだったでしょうか。
このような問題では,解と係数の関係や解の公式が使える場合がほとんどで,そこからは素直に解けるか,整数問題に発展していくかのどちらかになります。
今回の問題は,
① を他の文字で表す(の満たすべき必要(十分)条件を求める)
② なるべく範囲を絞り込んでから,数値を近づけていく。
の2ステップで機械的に解くことができ,計算量もそこまで多くないので,素早く
解いていかなければならないのかなと思います。
さて,最後に,類題を2問載せておきます。
類題
⑴ 不定方程式 の整数解 のうち,
が最小となるものを求めよ。
⑵ を正の整数とする。数直線上に二次方程式
の2つの解を並べ,これらの解の間に等間隔に4個の整数を並べる。
このとき,解と合わせた6個の数の合計が3桁の数となるようなの値の中で
もっとも小さな値を求めよ。 (東邦大付東邦高)
※下は解答になっています
解答
⑴
⑵
解けましたでしょうか。それでは,また次回。