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自作問題や私の好きな問題を解いたりします。

''2023''関連・規則性の問題 解説

先日更新したブログ↓↓の,Part.2の問題の解説です。

 

規則性,特に数列の問題で第2023項を求めさせることは多いでしょう。

2023だけでなく他のどの数であっても,応用を利かせることができればいいですね。

大問数は2問で,両方とも中学入試にありそうな問題です(知らんけど)

※上記のブログでの表記は各々⑻,⑼となってますが,今回は2問のみの掲載ですので,「問題1」「問題2」(+関連する単元)で見出し表記にしております。

 ちなみに個人的な難易度は,問題1・・・・・・難,問題2・・・・・・普通~やや難 です。

 

問題1 (既約分数・約数,数列の和)

 分母が2023であるような正の既約分数を小さいものから順に並べるとき,

 ① 2023番目の数を求めよ。

 ② \frac{2022}{2023}は何番目の数か。

 ③ ②までに並ぶ数( \frac{2022}{2023} を含む)すべての和を求めよ。

 

 

 

 

 

 

 

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 問題1 解答・解説

解答 ① 2507  ② 1632番目  ③ 816

 

解説 この数列に含まれる数を\frac{n}{2023}n2023と互いに素な自然数)とおく。

\frac{m}{2023}が何番目の数かを知るには,1≦n≦mの範囲にこのnが何個あるかを数えればいい。(したがって,②の方が比較的解きやすい(更新してから気づいた)

 

②から解く。以下,[x]x以下の最大の整数を表すものとする。

1から2022までの自然数のうち,2023と互いに素であるものの個数は,2023=7×17^ 2より,7でも17でも割り切れない数を数えればいい。

 ステップ❶~❸に分けて数える。

 

❶ 1から2022までの自然数のうち,7で割り切れる数は,

 [\frac{2022}7]=288より,288

 

❷ 1から2022までの自然数のうち,17で割り切れる数は,

 [\frac{2022}{17}]=118より,118

 

❸ 1から2022までの自然数のうち,7×17で割り切れる数は,

 [\frac{2022}{7×17}]=16より,16

 

求める自然数の個数は,2022-(❶+❷-❸)である(ベン図を書くとわかる)から,

 2022-(288+118-16)=1632より,1632

したがって,②\frac{2022}{2023}は,1632番目の数である。

 

 

③ \frac{2022}{2023}までの数の分子は全て2023と互いに素な数である。

 よって,求める和の分母を2023とすると,分子は,

A=1から2022までのすべての自然数の和)

B=1から2022までのすべての7の倍数の和)

C=1から2022までのすべての17の倍数の和)

D=1から2022までのすべての119の倍数の和) 

 として,A-(B+C-D)で求められる。(D:重複分)

 

A=\displaystyle{\sum_{k=1}^ {2022} k}=\frac{2022×2023}2

B=\displaystyle{\sum_{k=1}^ {[\frac{2022}7]} 7k}=7\displaystyle{\sum_{k=1}^ {288} k}=\frac{7×288×289}2=\frac{288×2023}2

C=\displaystyle{\sum_{k=1}^ {[\frac{2022}{17}]} 17k}=17\displaystyle{\sum_{k=1}^ {118} k}=\frac{17×118×119}2=\frac{118×2023}2

D=\displaystyle{\sum_{k=1}^ {[\frac{2022}{119}]} 119k}=119\displaystyle{\sum_{k=1}^ {16} k}=\frac{119×16×17}2=\frac{16×2023}2

 

\displaystyle{∴A-(B+C-D)=\frac{2022×2023}2-(\frac{288×2023}2+\frac{118×2023}2-\frac{16×2023}2)}

\displaystyle{=\frac{2023}2×\{2022-(288+118-16)\}=\frac{2023}2×1632=2023×816}

 

よって,③求める値は \displaystyle{\frac{2023×816}{2023}=816} (答)

 

 

 

① ②の計算過程を利用する。k番目の数nは,以下の式を満たす;

 n-([\frac{n}7]+[\frac{n}{17}]-[\frac{n}{7×17}])=k.

 k=2023となるときのnを求める。nが大きくなるほどkは大きくなる。

nの増加量に対するkの増加量を考える。n=m+7×17を代入すると,

 k=(m+7×17)-([\frac{m+7×17}7]+[\frac{m+7×17}{17}]-[\frac{m+7×17}{7×17}])

 =(m+119)-([\frac{m}7]+17+[\frac{m}{17}]+7-[\frac{m}{7×17}]-1)

 =(m+119)-([\frac{m}7]+[\frac{m}{17}]-[\frac{m}{7×17}]+23)

 =m-([\frac{m}7]+[\frac{m}{17}]-[\frac{m}{7×17}])+96

よって,n7×17=119増加すると,k96増加する。

 ②より,n=2022のときk=1632であるから,2023-1632=391増加させるためには,n\frac{391}{96}×119=484.67...増加させる必要がある。

 n=2022+484=2506を代入すると,

 k=2506-([\frac{2506}7]+[\frac{2506}{17}]-[\frac{2506}{7×17}])=2506-(358+147-21)=2022.

 

 よって,25062022番目の数である。また,2506=7×358=17×147+7

より,25077でも17でも割り切れないから,この数列に属する。したがって,①2023番目の数は,2507である。

 

(一言)もう少し簡単な解き方ないですかね。①の実験の手数はなるべく減らしたいですね。

 「互いに素」系の問題を発展させた問題です。和を求めるのはかなり難しいと思います。

 

 

 

 

 

問題2 (整数を並べてできる数,桁数)

 1から2023までの整数を以下のように並べてできる整数Nを考える。

  N=1234567891011121314・・・20222023

 ① 数Nの十進法での桁数を求めよ。

 ② 数N2023桁目の数を求めよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 問題2 解答・解説

解答 ① 6995桁   ② 7

 

解説 数Nを以下のように区切って考える。

 N=|123456789|1011・・・・・・・99|100101・・・・・・・999|10001001・・・・・・・2023|

 

このとき,左端の組に並ぶ数は1から9までの整数すべてであり,

 その桁数は(9-1+1)×1=9桁・・・・・・・・㋐

左から2番目の組に並ぶ数は10から99までの整数すべてであり,

 その桁数は(99-10+1)×2=180桁・・・・・・・・㋑

左から3番目の組に並ぶ数は100から999までの整数すべてであり,

 その桁数は(999-100+1)×3=2700桁・・・・・・・・㋒

右端の組に並ぶ数は1000から2023までの整数すべてであり,

 その桁数は(2023-1000+1)×4=4096桁・・・・・・・・㋓

 

したがって,①数Nの桁数は㋐+㋑+㋒+㋓=6995桁 (答)

 

また,2023桁目の数は,左から3番目の組に含まれる。

左から3番目の組は190桁目から始まり,並ぶ数は3桁の整数である。

左から3番目の組を,さらに,以下のように分ける;

 |100|101|102|103|・・・・・・・・|997|998|999|

このとき,n自然数として,左からn番目の組に含まれる数は,99+n

である。さらに,左からn番目の組の右端の数は,(189+3n)桁目の数である。

2023-189=1834=3×611+1であるから,左から611番目の組の右端の数が,

2022桁目の数である。よって,左から612番目の組の左端の数が,求める数である。

 左から612番目の組に含まれる数は99+612=711であるから,この左端の数は

   ② 7 (答)

 

(一言)群数列ですね。類題では,「1の数を数えさせる」「各桁の数の和を求めさせる」などがありそうです。桁数を求めるだけなら簡単な部類だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(余談)2023関連の計算問題

  前回の記事には2023関連の計算問題を載せようと思っていたのですが,いい問題が浮かばなかったので見送りました。が,今回の記事を書いている間に思いついてしまったので,こちらも載せたいと思います。算数っぽく見えますが,高校入試用です。

 

問 0.2023×20.23+6.174×1.977-1.977×(2.128-1.977) を計算せよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解説

 2.023=x, 1.977=y とおくと,0.2023×20.23=2.023^ 2=x^ 2 であり,

 (与式)=x^ 2+6.174y-y(2.128-y)=x^ 2+(6.174-2.128)y+y^ 2

 =x^ 2+4.046y+y^ 2=x^ 2+2xy+y^ 2 (4.046=2×2.023 より)

 =(x+y)^ 2=(2.023+1.977)^ 2=4^ 2=16 (答)

 

(一言)2.023+1.977=4 なので勘で解けるかもしれません。おそらく難しく見えるのは,

 わざわざ2.023×2.0230.2023×20.23に書き換えているからでしょうね。

 

 

 

 

 

(再余談)ついでに,こいつも対策しておきますか...?

問 2023^ 42^ 4で割ったときの余りは1に等しい。

 不定方程式2023^ 5x-2^ 5y=1の整数解のうち,xが正で最小のものは

  x=[アイ], y=[ ウエオカキクケコサシスセソタチツテ] である。

※この問題の解説は時間の無駄なのでしません。Wolframとかに入れてみてください。