流の趣味:数学・雑記

主に数学の問題を解いたり。

灘高入試 2026 数学 大問6(確率)解答・解説【速報】

 昨日に引き続き灘高入試の解説です。おそらく今年のセットで最も難しかった、大問6・確率の問題です。⑵の処理がそこそこ面倒です。

 競プロとかやってると解きやすいかもしれません。

 

問題


 ※図を作るのも問題文を書くのも面倒だったのでそのまま貼りました。怒られたら消します

 

 

 

 

ー 解答・解説は下にあります ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解答

⑴ 4回: \displaystyle{\frac{1}{216}}  5回: \displaystyle{\frac{5}{972}}

 

⑵ \displaystyle{\frac{55}{7776}}

 

 

 

解説

 全体を通して、この問題は以下のように直交座標上で考えることができます:

 

問題解釈

 座標平面上に 2\mathrm{A(0,\ 0),\ \ B(2,\ 2)} がある。動点 \mathrm{P} があり、はじめ \mathrm{P}\mathrm{A} の位置にいる。サイコロを 1 回投げて、出た目の数に応じて、以下の規則に従って点 \mathrm{P} を移動させる:

《規則》点 \mathrm{P} が座標 (x,\ y) にいるとき、サイコロを投げて

  ・ 1 の目が出たら、座標 (x+1,\ y)

  ・ 2 の目が出たら、座標 (x,\ y+1)

  ・ 3 の目が出たら、座標 (x-1,\ y+1)

  ・ 4 の目が出たら、座標 (x-1,\ y)

  ・ 5 の目が出たら、座標 (x,\ y-1)

  ・ 6 の目が出たら、座標 (x+1,\ y-1)

それぞれ移動する。

 

 この解釈は、点 \mathrm{A} を通る「真横」の直線を x 軸、点 \mathrm{A} を通る「右斜め上」の直線を y 軸と捉えることで得られます。図2で示された操作とは、きちんと対応が取れていることが分かると思います。

 これを元に解いていきます。ここで、座標の和 x+y に着目するとうまく整理できます。

 点 \mathrm{P} の座標の和は、サイコロの目によって以下のように変化します:

  ・ 1 の目が出たら、 +1

  ・ 2 の目が出たら、 +1

  ・ 3 の目が出たら、 \pm 0

  ・ 4 の目が出たら、 -1

  ・ 5 の目が出たら、 -1

  ・ 6 の目が出たら、 \pm 0

 点 \mathrm{A} から点 \mathrm{B} までで、座標の和は +4 変化しています。このことから条件を絞ることができます。

 地味に大きい情報として、「点 \mathrm{P} の最後の位置には、サイコロの目の組み合わせのみが関係し、順序は関係ない」というものがあります。

 

⑴ まず 4 回投げる場合。

  1 回の試行で座標の和は高々 1 しか増えないので、 1 または 2 の目のみが出ることが必要。また、x 座標が +2y 座標が +2 変化することより、 12 の目はそれぞれ 2 回ずつ出ることが必要かつ十分だとわかる。

 よって、サイコロの目の出方は (1,\ 1, \ 2,\ 2) の順列の個数だけあり、これは

\displaystyle{\frac{4!}{2!\cdot 2!} = 6} (通り)

 従って、求める確率は

\displaystyle{\frac{6}{6^{4}} = \boldsymbol{\frac{1}{216}}}

 

 次に、 5 回投げる場合。 

  1 回の試行で座標の和は高々 1 しか増えないので、 45 の目が出る場合は条件を満たさない。また、 1 回だけ \pm 0 の移動があるので、 3 または 6 の目がちょうど 1 回出ることが必要。

  3 の目が出るとき、残り 4 回で x 座標は +3y 座標は +1 変化するので、 1 の目が 3 回、 2 の目が 1 回出る。

  6 の目が出るとき、残り 4 回で x 座標は +1y 座標は +3 変化するので、 1 の目が 1 回、 2 の目が 3 回出る。

 以上より、サイコロの目の出方は (1,\ 1, \ 1,\ 2,\ 3),\ \ (1,\ 2,\ 2,\ 2,\ 6) とその順列の個数だけあり、これは

\displaystyle{2\cdot \frac{5!}{3!} = 40} (通り)

 従って、求める確率は

\displaystyle{\frac{40}{6^{5}} = \boldsymbol{\frac{5}{972}}}

 

 

⑵ 点 \mathrm{P} の座標の和の変化を考える。 6 回で +4 変化することより、

+15 回、 -11 回」  (①)

+14 回、 \pm{0}2 回」  (②)

のいずれかのパターンが考えられる。

 ①のとき:

  4 の目が出る場合、残り 5 回で x 座標が +3y 座標が +2 変化する。従って、 1 の目が 3 回、 2 の目が 2 回出る。

  5 の目が出る場合、残り 5 回で x 座標が +2y 座標が +3 変化する。従って、 1 の目が 2 回、 2 の目が 3 回出る。

 

 ②のとき:

  3 の目が 2 回出る場合、残り 4 回で x 座標が +4y 座標が \pm 0 変化する。従って、 1 の目が 4 回出る。

  6 の目が 2 回出る場合、残り 4 回で x 座標が \pm 0y 座標が +4 変化する。従って、 2 の目が 4 回出る。

  3 の目と 6 の目が 1 回ずつ出る場合、残り 4 回で x 座標が +2y 座標が +2 変化する。従って、 1 の目が 2 回、 2 の目が 2 回出る。

 

 以上より、ありうるサイコロの目の出方は

(1,\ 1,\ 1,\ 2,\ 2,\ 4)

(1,\ 1,\ 2,\ 2,\ 2,\ 5)

(1,\ 1,\ 1,\ 1,\ 3,\ 3)

(2,\ 2,\ 2,\ 2,\ 6,\ 6)

(1,\ 1,\ 2,\ 2,\ 3,\ 6)

とその順列の個数だけあり、これは

\displaystyle{2\cdot \frac{6!}{3!\cdot 2!} + 2\cdot \frac{6!}{4!\cdot 2!} + \frac{6!}{2!\cdot 2!} = 330} (通り)

 従って、求める確率は

\displaystyle{\frac{330}{6^{6}} = \boldsymbol{\frac{55}{7776}}}

 

 

 

 

 

 以上です。よく見るグリッド上の最短経路問題(↑と→を並べるか DP するやつ)と同じように直交座標で考えることで、単純な場合分けのみで処理することができます。図を考えなくて良いのが嬉しいポイントです。

 完全に余談ですが、こういう問題はコンピュータにやらせた方がいいですね。 6 の累乗通りの場合の数を全探索するコードを書いて、サイコロを投げる回数を 10 回とかにして実行してみると、点 \mathrm{P}\mathrm{B} にいる場合の数は 520380 通りあるようです。

 全探索でなく動的計画法を用いれば、サイコロを数百回投げるくらいなら 1 秒程度で大体の確率を計算できます。

 というお話でした。読んでいただきありがとうございます。

灘高入試 2026 数学 大問 1 解答・解説【速報】

 お久しぶりです。今年も灘高入試が始まり、1日目が終わりました。今年の数学は、図形問題が多めなセットでした。個人的には、去年よりも簡単になったかなぁという印象です(が、地雷問題が数問あり、大問間での難易度の格差が激しいです)。

 大問1、小問集合の解説です。⑷の図形は少し難しく、粘着しすぎないようにしたいです。やはり計算ミスには気をつけたいところです。

 目次:

問題

⑴ x^{3}-xy^{2}+xy-x+y^{2}-y因数分解せよ。

 

⑵  s を正の定数、 t,\ \  u を定数とする。 x2 次方程式 x^{2}-sx-t=02 つの解が  -3,\ \  u で、 x2 次方程式 x^{2}-sx+t=02 つの解の差が 7 であるとき、 u の値を求めよ。

 

⑶ 図のように、6 つの頂点に番号をつけた正八面体がある。 1 から 6 までの目があるサイコロを 4 回投げ、出た目と同じ番号の頂点に印をつけていく。同じ頂点に印を複数回つけてもよいものとする。このとき、印のついた頂点が三角すいの 4 つの頂点をなす確率を求めよ。

 

 

⑷ 図のように、\mathrm{AB}=10, \mathrm{AC}=20 である三角形 \mathrm{ABC} について、辺 \mathrm{BC} 上に点 \mathrm{D, E} を線分 \mathrm{AD, AE}\mathrm{\angle{BAC}}3 等分線となるようにとる。 \mathrm{AD=5} であるとき、線分 \mathrm{AE} の長さを求めよ。

 

 

 

 

 

 

ー 解答・解説は下にあります ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解答

 

(筆者独自のものです。正確性を保証するものではありません)

 

⑴ \left(x-1\right)\left(x+y\right)\left(x-y+1\right)

⑵ 20

⑶ \displaystyle{\frac{2}{9}}

⑷ 1 + \sqrt{21}

 

 

 

解説⑴

 

 低次の y について整理し、共通因数でくくります。割とどんなやり方でもできると思うので、焦らず処理しましょう。

 

 \begin{aligned}x^{3}-xy^{2}+xy-x+y^{2}-y &= (1-x)y^{2}-(1-x)y+x(x^{2}-1) \\ &= (1-x)y^{2}-(1-x)y-x(1-x)(1+x) \\ &= (1-x)(y^{2}-y-x-x^{2}) \\ &= (1-x)\left\{(y-x)(y+x)-(y+x)\right\} \\ &= (1-x)(y+x)(y-x-1) \\ &= \boldsymbol{(x-1)(x+y)(x-y+1)} \end{aligned}

 

 

解説⑵

 解と係数の関係を用いるとすっきり整理できます。条件 s\gt 0 に注意しましょう。

 

 1 つ目の 2 次方程式について、解と係数の関係により

-3+u=s,\ \ -3u=-t

 2 つ目の 2 次方程式について、条件より、その解はある実数 k を用いて k,\ k+7 と表される。これを用いて解と係数の関係により

k+(k+7)=s,\ \ k(k+7)=t

 これらを連立して

-3+u=k+(k+7),\ \ 3u=k(k+7)

を得る。これを解くと

(k,\ u)=(-6,\ -2),\ (5,\ 20)

が得られる。ここで、条件 s\gt 0 より -3+u\gt 0 であるから、適するものは

(k,\ u)=(5,\ 20)

である。よって \boldsymbol{u=20}

 

 

 

 

解説⑶

 

 落ち着いて条件を整理します。

 

 印が異なる 4 頂点についている必要があるので、サイコロの出目はすべて異なる必要がある。

 また、異なる 4 頂点に印がついても、それらが同一平面上にある場合は条件を満たさない(同一平面上にない場合は、4 点は三角すいの 4 頂点をなす)。同一平面上にある 4 頂点の番号の組み合わせは、(1,2,4,6),\ (1,3,5,6),\ (2,3,4,5) である。

 以上より、条件を満たすサイコロの目の出方は

6\cdot 5\cdot 4\cdot 3 - 3 \cdot 4!

通り。これより求める確率は

\displaystyle{\frac{6\cdot 5\cdot 4\cdot 3 - 3 \cdot 4!}{6^{4}} = \boldsymbol{\frac{2}{9}}}

 

 

 

解説⑷

 図を描くのが面倒なので言葉だけで。結構解くのに時間かかりました。補助線系幾何ですが、受験生は類題をやっているんでしょうか。経験があればすぐでしょう。

 「三等分線」は扱いづらいです。角の二等分線の性質を使えるようにします。

 

 \mathrm{\angle{BAC}} の二等分線を引き、辺 \mathrm{BC} との交点を \mathrm{F} とする。このとき、直線 \mathrm{AF}\mathrm{\angle{DAE}} の二等分線にもなっている。(証明略)

  \mathrm{AE} = x とする。

 三角形 \mathrm{ABE} において角の二等分線の性質より、

\mathrm{BD:DE}=10:x

 三角形 \mathrm{ACD} において角の二等分線の性質より、

\mathrm{DE:EC}=5:20=1:4

 三角形 \mathrm{ADE} において角の二等分線の性質より、

\mathrm{DF:FE}=5:x

 三角形 \mathrm{ABC} において角の二等分線の性質より、

\mathrm{BF:FC}=10:20=1:2

 

 以上 4 式を連比の式として解くことで、以下の x の式を得る:

\displaystyle{\left\{10\left(\frac{5+x}{x}\right)+5\right\} : \left\{4\left(5+x\right)+x\right\} = 1 : 2}

 これを整理して以下を得る:

x^{2}-2x-20=0

 これを解いて x = 1 \pm \sqrt{21} を得る。 x>0 であるので、

x=\boldsymbol{1+\sqrt{21}}

である。

 

 

 

 

 ということで以上です。落ち着いて考えれば決して難しくない問題群だとは思います。ただ、省略しましたが⑷の連比の計算などややこしいものもあります(良い別解がありそう……)。

 今年は放物線と直線であれこれする問題がなかったり(ネタ切れ?)、図形がセットのほとんどを占めていたりとやや変わった傾向でした。難しすぎるような問題は出題されていないですから、「数値が正しい」「記述で嘘を書いていない」などで結構差がつきそうです。

 個人的な難易度感を書いておきます:

 ・大問1:⑴易/⑵中/⑶易/⑷やや難

 ・大問2:⑴⑵⑶易(記述で差がつくかも?)

 ・大問3:⑴⑵中(記述で差がつくかも?)

 ・大問4:⑴⑵中

 ・大問5:⑴易/⑵⑶中

 ・大問6:⑴前半易・後半中/⑵難

 他の大問は気が向いたら投稿します。明日は数オリ本選もあります(私は予選通過できませんでしたが……)ので、忙しくなりそうですね。

 では、ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

灘高校入試2025 数学 大問1解説【間違えられない小問集合】

 こういう時事的なことすると伸びそうなのでやります。今回は灘高入試2025,大問1の解説です。ここ数年の傾向と比べるとかなり解きやすく,他の大問のことを考えると完答したい問題たちでした。

 灘高の小問集合は答えのみ書く形式。計算ミスの無いようにしたいところです。

 主に⑷の別解のせいで長丁場になったので,解説の目次を貼っておきます。

 

問題

⑴ x^ 4-106x^ 2+2025因数分解せよ。

 

⑵ a を定数とする。x二次方程式 (x+a)(x-a^ 2+1)=0 の一方の解が他の解の 2 倍であるような a の値をすべて求めよ。

 

⑶ 2 つのサイコロ \mathrm{A,\ \ B} を同時に振り,2 つのサイコロの出た目が異なるときは小さい方の目の数を得点とし,2 つのサイコロの出た目が同じときは得点を与えない。この操作を 2 回行ったとき,得点の合計が 5 点となる確率を求めよ。

 

⑷ \mathrm{AB}=4,\ \ \mathrm{AD}=10 である長方形 \mathrm{ABCD} の紙がある。辺 \mathrm{AD} 上に \mathrm{AE}=2 となる点 \mathrm{E} をとり,この紙を線分 \mathrm{CE} で折り返すと,点 \mathrm{D} が点 \mathrm{F} に移った。このとき,線分 \mathrm{BF} の長さを求めよ。



 

 

 

ー 下にスクロールすると解答・解説があります ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解答

⑴ (x-9)(x-5)(x+5)(x+9)

⑵ \displaystyle{a=-1\pm \sqrt{2},\ \ \frac{-1\pm \sqrt{17}}{4}}

⑶ \displaystyle{\frac{25}{162}}

⑷ 2\sqrt{13}

 

解説⑴

 色々な解き方があります。複二次式の因数分解,何気にかなり珍しい出題。

 どの解法でも,2025=45^ 2 を知っていると解きやすいですね。

<解法1> とりあえず平方完成。計算大変ですが確実です。

 x^ 4-106x^ 2+2025

 =(x^ 2-53)^ 2+45^ 2-53^ 2

 =(x^ 2-53)^ 2+(45-53)\times (45+53)

 =(x^ 2-53)^ 2-8\times 98

 =(x^ 2-53)^ 2-4^ 2\times 7^2

 =(x^ 2-53)^ 2-28^ 2

 =(x^ 2-53-28)(x^ 2-53+28)

 =(x^ 2-81)(x^ 2-25)

 =(x-9)(x+9)(x-5)(x+5)

 =\boldsymbol{(x-9)(x-5)(x+5)(x+9)}.

 

<解法2> 足して -106,掛けて 2025=3^ 4\times 5^ 2 になる組を探します。ここで上手い絞り込み方があります。

 a+b=-106,\ \ ab=3^ 4\times 5^ 2 なる整数 a,\ b を求めます。

 第一式の右辺 -106 に注目すると,これは 3 でも 5 でも割り切れないので,a, b がともに 3 または 5 の倍数になることはありません。

 従って,いま仮に a3 の倍数であるとすると(対称性より一般性は失われません),a+b0 とあわせて,

a=-3^ 4,\ \ b=-5^ 2

a=-3^ 4\times 5^2,\ \ b=-1

のいずれかとなります。前者のとき a+b=-106 ,後者のとき a+b=-2026 となるので,前者の場合が適することがわかります。

 ゆえに,与えられた式の因数分解

 x^ 4-106x^ 2+2025

 =(x^ 2-3^ 4)(x^ 2-5^ 2)

 =(x-9)(x+9)(x-5)(x+5)

 =\boldsymbol{(x-9)(x-5)(x+5)(x+9)}.

 

 

 

解説⑵

 与えられた二次方程式の解は,x=-a,\ \ a^ 2-1 となります。条件より,次の①,②のいずれかが成り立ちます。

 ① -2a=a^ 2-1

 ② -a=2(a^ 2-1)

①のとき,a^2+2a-1=0 から,解の公式より a=\boldsymbol{-1\pm \sqrt{2}}.

②のとき,2a^ 2+a-2=0 から,解の公式より a=\boldsymbol{\displaystyle{\frac{-1\pm \sqrt{17}}{4}}}.

 落ち着いて場合分けし,処理しましょう。中3の定期テストとかに出てもおかしくない問題です。何がしたかったんだろう...

 

解説⑶

 今回の小問集合のなかでは一番大変かな?とはいえ落ち着いて場合分けすれば解けますね。全事象が (6^ 2)^ 2=6^ 4 通りあり,全部数えるわけにはいきません。「困難は分割せよ」の格言通り,「操作」ごとに考えていきましょう。

 1 回の操作において,得点が

 ・ 0 点となるのは,同じ目が出る場合なので 6 通り。

 ・ 1 点となるのは,1 の目と 26 の目が出る場合なので,サイコロ \mathrm{A,\ B} の出目の並べかえを考慮して 2\times 5=10 通り。

 ・ 2 点となるのは,2 の目と 36 の目が出る場合なので,2\times 4=8 通り。

 ・ 3 点となるのは,3 の目と 46 の目が出る場合なので,2\times 3=6 通り。

 ・ 4 点となるのは,4 の目と 56 の目が出る場合なので,2\times 2=4 通り。

 ・ 5 点となるのは,5 の目と 6 の目が出る場合なので,2\times 1=2 通り。

 ・ 6 点にはならないですね。

(念の為,上のすべての場合の数を足すと 36 となることを確認しましょう)

 さて,2 回の操作で,得点の合計が 5 点となるのは,( 1 回目,2 回目) の得点が (0,\ 5),\ \ (1,\ 4),\ \ (2,\ 3),\ \ (3,\ 2),\ \ (4,\ 1),\ \ (5,\ 0) のいずれかとなるときです。前半 3 つと後半 3 つは順序を入れ替えただけなので,前半 3 つの場合の数の合計を 2 倍すれば良いです。

 ・(0,\ 5) のとき,6\times 2=12 通り

 ・(1,\ 4) のとき,10\times 4=40 通り

 ・(2,\ 3) のとき,8\times 6=48 通り

 従って,条件を満たす場合の数は

(12+40+48)\times 2=200 通り

となります。よって,求める確率は \displaystyle{\frac{200}{6^ 4}=\boldsymbol{\frac{25}{162}}}.

 

 

解説⑷

 この問題,これ単独で記事が書けるくらいにはたくさん別解があります。\mathrm{BC}\mathrm{EF} との交点を \mathrm{G} として,① \mathrm{EG} の長さ ② \mathrm{BF} の長さ に分けて解説します。

<①解法1> 相似を駆使します。去年の問題に似た補助線が出てきています。

 折り返し図形なので,三角形 \mathrm{CDE} と三角形 \mathrm{CFE} は合同です。よって \angle{\mathrm{CED}}=\angle{\mathrm{CEF}} となります。また,\mathrm{AD}\mathrm{BC} は平行なので,錯角が等しくなるため \angle{\mathrm{CED}}=\angle{\mathrm{ECG}} となります。従って,\angle{\mathrm{CEG}}=\angle{\mathrm{ECG}} となり,三角形 \mathrm{ECG}\mathrm{EG=CG}二等辺三角形です。

 ここで,点 \mathrm{G} から線分 \mathrm{CE} に垂線 \mathrm{GH} を下ろすと,点 \mathrm{H} は線分 \mathrm{CE} の中点であり,また,二角相等から三角形 \mathrm{CDE} と三角形 \mathrm{GHE} は相似になります。

 さて,三角形 \mathrm{CDE} において,三平方の定理より

\mathrm{CE}=\sqrt{4^ 2+8^ 2}=4\sqrt{5}

であり,三角形 \mathrm{CDE} の三辺比は 1:2:\sqrt{5} となります。よって三角形 \mathrm{GHE} の三辺比も 1:2:\sqrt{5} であり,また,

\mathrm{EH}=\displaystyle{\frac{1}{2}\mathrm{CE}=2\sqrt{5}}

であるので,

\mathrm{EG}=\displaystyle{\frac{\sqrt{5}}{2}\mathrm{EH}=5}

となり,\mathrm{EG} の長さが求まりました。

 

 

 

<①解法2> 文字で置き,三平方を用いて方程式をつくります。王道です。

 \mathrm{EG=CG} を示すところまでは解法1と同様です。

 \mathrm{EG=CG}=x とおきます。点 \mathrm{E} から辺 \mathrm{BC} に垂線 \mathrm{EI} を下ろすと,三角形 \mathrm{EIG} の各辺の長さについて,

\mathrm{EI=AB=4,\ \ IG=CI-CG}=8-x,\ \ \mathrm{EG}=x

となります。従って,三平方の定理より

4^ 2+(8-x)^ 2=x^ 2

となり,これを解いて x=5 と求まりました。

 

 

 以下は,上記いずれかによって \mathrm{EG=5} を導いた後の話です。

  \mathrm{BF} の長さの求め方を3通りで解説します。

<②解法1> おそらくこれが一番きれいだと思います。 

 \mathrm{CG=5} より \mathrm{G} は辺 \mathrm{BC} の中点です。また,\mathrm{EG=5} より \mathrm{FG=EF-EG=3} です。

 ここで,線分 \mathrm{CF}\mathrm{F} の側に長さ 4 だけ延長した点を \mathrm{J} とします。すると,\mathrm{BG=GC,\ \ JF=FC} ですので,三角形 \mathrm{BCJ} において中点連結定理から,\mathrm{GF} // \mathrm{BJ}\mathrm{BJ=2GF=6} がわかります。

 \mathrm{GF} // \mathrm{BJ} より,同位角は等しくなるので \angle{\mathrm{BJF}}=\angle{\mathrm{GFC}}=90^\circ です。これより三角形 \mathrm{BJF} は直角三角形とわかり,\mathrm{BJ=6,\ \ FJ=4} なので三平方の定理から,

\mathrm{BF}=\sqrt{6^ 2+4^ 2}=\boldsymbol{2\sqrt{13}}

となります。

 

 

 

<②解法2> 解法1と似ていて,\mathrm{BF} を斜辺とする直角三角形をつくりたい,という考え方です。図形の中の補助線である分,こちらの方が発想は楽ですが,計算はやや面倒です。

 \mathrm{GF=3,\ \ FC=4,\ \ CG=5} より三角形 \mathrm{CGF}3:4:5 の直角三角形です。ここで,点 \mathrm{F} から辺 \mathrm{CG} に垂線 \mathrm{FK} を下ろすと,(証明は省きますが)二角相等より三角形 \mathrm{CFG,\ \ CKF,\ \ FKG} は互いに相似になります。このことより,特に三角形 \mathrm{FKG} の三辺比が 3:4:5 であるとわかるので,

\displaystyle{\mathrm{FK=\frac{4}5FG=\frac{12}5,\ \ KG=\frac{3}5FG=\frac{9}5}}

となります。ここで直角三角形 \mathrm{BKF} に着目すると,

\displaystyle{\mathrm{FK=\frac{12}5,\ \ BK=5+\frac{9}5=\frac{34}5}}

であるので,辺 \mathrm{BF} の長さは三平方の定理より

  \displaystyle{\mathrm{BF=\sqrt{\left(\frac{12}5\right)^ 2+\left(\frac{34}5\right)^ 2}}}

    \displaystyle{=\frac{2}5\sqrt{6^ 2+17^ 2}}

    \displaystyle{=\frac{2}5\sqrt{325}}

    =\boldsymbol{2\sqrt{13}}

と求まります。

 

 

<②解法3> 一応高校範囲ですが,中線定理を知っていれば一番楽です。なんだかんだ大半の受験生がこう解いたと思われます。

 \mathrm{BG=CG=5} より \mathrm{G} は三角形 \mathrm{BCF} の中点です。よって,\mathrm{FG=3,\ \ CF=4,\ \ CG=5} と中線定理から,

\mathrm{BF^ 2+CF^ 2=2(CG^ 2+FG^ 2)}

\mathrm{BF^ 2+4^ 2=2(5^ 2+3^ 2)}

\mathrm{BF=\sqrt{68-16}=\boldsymbol{2\sqrt{13}}}\ \ \ \ (\because\ \mathrm{BF}0)

と求まります。

 

 

 

<さらに別解> 書いてるときに思いつきました。

 長方形 \mathrm{ABCD} を縦に拡大して長方形 \mathrm{APQD} とし,点 \mathrm{F} が辺 \mathrm{PQ} 上にあるようにします。

 点 \mathrm{E} から辺 \mathrm{PQ} に垂線 \mathrm{ER} を下ろします。このとき,(証明は省きます)二角相等より,三角形 \mathrm{EFR} と三角形 \mathrm{FCQ} は相似になり,その相似比は \mathrm{EF:FC=2:1} となります。

 従って,\mathrm{FQ}=x,\ \ \mathrm{CQ}=y とおくと \mathrm{ER}=2x,\ \ \mathrm{FR}=2y となり,各線分の長さについて \mathrm{ER-CQ=CD,\ \ FR+FQ=DE} が成り立つことから,

2x-y=4,\ \ x+2y=8

が成り立ちます。これを解くと,\displaystyle{x=\frac{16}5,\ \ y=\frac{12}5} が得られます。ここで,直角三角形 \mathrm{BPF} の各辺について,

\displaystyle{\mathrm{BP}=y=\frac{12}5,\ \ \mathrm{PF}=2y+2=\frac{34}5}

がわかります。従って,三平方の定理により,求める長さは

\displaystyle{\mathrm{BF=\sqrt{\left(\frac{12}5\right)^ 2+\left(\frac{34}5\right)^ 2}}}=\boldsymbol{2\sqrt{13}}

となります。

 

 

 

 

 

感想

 いかがでしたでしょうか。個人的には,全体として,公立高校入試や中学の定期テストで出されそうな問題だなという印象でした。ほどよく思考力や処理力を問うという意味では良問揃いですが,しかし灘高入試としては易しく,選別としてはあまり機能しなかったのではないかなと思います。本番では完答を狙いたいですね。

 余談ですが,本日(昨日),合格発表と入試結果が出ましたね。私は英語と数学を解いて理科と国語はざっと見たくらいなのですが,全体として(特に英語)難化傾向だったようですね。受験者平均49なんて結構珍しいですよ...

 受験者平均点と合格者最低点の差は僅か6点。悔しい思いをした受験生もかなり多そうです。今回合格した方は本当におめでとうございます。

 それでは今回は以上です。ありがとうございました!!

灘高校入試2025 数学 大問5解説【場合の数・確率】

 もう年を越し,節分すら過ぎてしまいました。多忙,いや怠慢であります。

 今回は,先日行われた灘高校入試数学大問5,組合せ分野の問題を解説していきます。今年のセットの中ではやや方針を立てづらい問題かなという感じです。しかしこの問題,実はかなり色々な学びがあり,ぜひ(灘高志望でない方にも)取り組んでほしい問題です。

 入試問題は当日家で解きましたが,全体の難易度感としては例年並みかなと思います(大問1・2・4は特に取っ付きやすく,落とせない問題かなと思いました)。

 問題文はこちらです。

問題

 最初,A さんは 50 円玉を 1 枚,10 円玉を 4 枚,5 円玉を 1 枚,1 円玉を 4 枚持っていて,B さん,C さんは何も持っていない。中の見えない箱の中に,1 円,2 円,\cdots99 円と書かれたカードが 1 枚ずつ計 99 枚ある。A さんはこの箱からカードを 1 枚引き,そのカードを箱に戻さずに続けて B さんがカードを 1 枚引く。

 A さんが自分の引いたカードに書かれている金額を B さんに支払い,その後 B さんが自分の引いたカードに書かれている金額を C さんにちょうど支払うことができたとき「成立」とする。

⑴  Aさんが引いたカードに 23 円と書かれていたとき,「成立」となる B さんのカードの引き方は全部で(   )通りある。

⑵「成立」となる確率を求めよ。

 

 

当然ながら鬼門は⑵です。以下,スクロールすると解答・解説があります。今回,なるべく丁寧に記述しようという思いから,⑵がかなりの長旅になってしまっています。ご了承下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解答

⑴ 10 通り   ⑵ \displaystyle{\frac{83}{441}}

 

解説

 カードに書かれた任意の 1 以上 99 以下の自然数 N は,0\leqq a,\ c \leqq 1,\ \ 0\leqq b,\ d \leqq 4,\ (a,\ b,\ c,\ d)\neq (0,\ 0,\ 0,\ 0) なる整数 a,\ b,\ c,\ d を用いて N=50a+10b+5c+d一意に表すことができます (超重要です)。すなわち,「払える金額 N の場合の数」は「ありうる a,\ b,\ c,\ d の組の個数」と対応する,ということです。では,A さんがカードを引いた後の状況を考えてみましょう。そのための問題が⑴です。

 

⑴ B さんの手元には 23 円,すなわち 10 円玉が 2 枚と 1 円玉が 3 枚あります。これらを用いて払える金額のうち 23 円を除いたものの個数を求めればよいです。これは直接数えても良いですが,要は

 ・ 10 円玉を 0,\ 1,\ 2 枚使う

 ・ 1 円玉を 0,\ 1,\ 2,\ 3 枚使う

場合がそれぞれ考えられるので,場合の数は 3\times 4=12 通り...といきたいところですが, これだと 0 円も 23 円も含んでしまっていますね。0 円と 23 円のカードは無いですから,求める場合の数は 12-2=\boldsymbol{10} 通りです。

 

 

 

⑵ A さんの引いたカードの金額 N が次の式を満たすとします:

N=50a+10b+5c+d

 ただし,a,\ b,\ c,\ d0\leqq a,\ c \leqq 1,\ \ 0\leqq b,\ d \leqq 4,\ (a,\ b,\ c,\ d)\neq (0,\ 0,\ 0,\ 0) を満たす整数です。

 同様に,B さんの引いたカードの金額 N^\prime が次の式を満たすとします( e,\ f,\ g,\ h は整数):

N^\prime =50e+10f+5g+h

 ⑴より考えると,B さんは手元にある硬貨のみを用いて N^\prime 円を用意しなければならず,逆に,金額 N^\prime が手元にある硬貨を何枚かずつ使うことで表されるときは,必ず「成立」します。従って,ある a,\ b,\ c,\ d に対して,金額 N^\prime において成立するための e,\ f,\ g,\ h に関する必要十分条件は,

0\leqq e \leqq a,

0\leqq f \leqq b,

0\leqq g \leqq c,

0\leqq h \leqq d,

(e,\ f,\ g,\ h)\neq (0,\ 0,\ 0,\ 0), (a,\ b,\ c,\ d)

となります。(0,\ 0,\ 0,\ 0),\ (a,\ b,\ c,\ d) を除くのは当然,そのようなカード N^\prime が存在しないためです。

 a,\ b,\ c,\ d を固定したとき,このような条件を満たす e,\ f,\ g,\ h は何通りあるか考えます。いったん (e,\ f,\ g,\ h)=(0,\ 0,\ 0,\ 0),\ (a,\ b,\ c,\ d) の場合も認めることとして,e,\ f,\ g,\ h それぞれについて条件を満たす個数を求めると,

  ・ e0\leqq e \leqq a より (a+1) 通り

  ・ f0\leqq f \leqq b より (b+1) 通り

  ・ g0\leqq g \leqq c より (c+1) 通り

  ・ h0\leqq h \leqq d より (d+1) 通り

となります。e,\ f,\ g,\ h の個数は互いに影響しないので,条件を満たす個数は

(a+1)(b+1)(c+1)(d+1) 通り

となります。しかし,これでは (e,\ f,\ g,\ h)=(0,\ 0,\ 0,\ 0),\ (a,\ b,\ c,\ d) の場合も含めてしまっているため,除く必要があります。従って,求める個数は

(a+1)(b+1)(c+1)(d+1)-2 通り

となることがわかりました。

 

 さて,今我々がすべきことは,条件を満たす各組 (a,\ b,\ c,\ d) 全てに対して,

(a+1)(b+1)(c+1)(d+1)-2\ \ \ \ \cdots (*)

の総和を求めることです。なぜなら,式(*)はある a,\ b,\ c,\ d を固定したときの場合の数を表すからです。では,この総和はどのように求められるのでしょうか。

 いったん,末尾の -2 を無視して考えましょう。式(**)を

(a+1)(b+1)(c+1)(d+1)\ \ \ \ \cdots (**)

とします。いったん,(a,\ b,\ c,\ d)=(0,\ 0,\ 0,\ 0) の場合も認めることとして,(**)の総和を求めてみます。顔みたいでかわいいですね:)

 a,\ b,\ c,\ d のとる値の範囲を思い出すと,a+1,\ \ b+1,\ \ c+1,\ \ d+1 のとりうる値は,

   ・ a+1\ \ \cdots (1,\ 2)

   ・ b+1\ \ \cdots (1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5)

   ・ c+1\ \ \cdots (1,\ 2)

   ・ d+1\ \ \cdots (1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5)

となります。ここで,(a+1)(b+1) の総和だけに着目します。するとその計算は,

(1\times 1+1\times 2+1\times 3+1\times 4+1\times 5)+(2\times 1+2\times 2+2\times 3+2\times 4+2\times 5)

 =1\times(1+2+3+4+5)+2\times(1+2+3+4+5)

 =(1+2)\times(1+2+3+4+5)

と表すことができます。同様に考えると,(a+1)(b+1)(c+1)(d+1) の総和は

 (1+2)\times (1+2+3+4+5)\times (1+2)\times (1+2+3+4+5)

 =3\times 15\times 3\times 15

 =2025

として求まります。しかし,これは (a,\ b,\ c,\ d)=(0,\ 0,\ 0,\ 0) の場合も含めてしまっていますので,その場合の (a+1)(b+1)(c+1)(d+1) の値,すなわち 1 を引いてあげると,正しい値は 2024 となりますね。

 さて,では(*)で無視していた -2 を考えましょう。これは単純な話で,条件を満たす全ての組 (a,\ b,\ c,\ d) に対する総和を求めたいわけですから,組 (a,\ b,\ c,\ d) の個数分を引けば良いです。これは 2\times 5\times 2\times 5-1=99 としても求まります( (0,\ 0,\ 0,\ 0) をいったん認めて,a,\ b,\ c,\ d の範囲より数え上げてから引く)し,a,\ b,\ c,\ d の定義よりこれは N と一対一対応するのでカードの枚数 99 枚分,と考えても求まります。従って,計算に含めるべき値は

-2\times 99=-198

であるので,最終的に,(*)式より得られる「成立」する場合の数は

2024-198=1826 通り

となります。

 求めるべきは「成立」する確率です。A さん,B さんのカードの引き方は全部で

99\times 98 通り

あるので,求める確率は

\displaystyle{\frac{1826}{99\times 98}=\boldsymbol{\frac{83}{441}}}

となります。

 

 

 

 

 

 

 

感想と補足

 いかがでしたでしょうか。難しい問題ではありましたが,本番なら厳密な記述をある程度省けるので,総和を求めるプロセスさえわかれば案外求められはするのでしょうか。高校入試としては珍しい出題で,取っ付きにくかった受験生が多かったかと思われます。私個人的には,すごく好きな問題です。解けたからね:)

 解答途中に 2025 という数値が現れました。実は,このゲーム(?)を次のような少し変更したルールのもとで行うと,「成立」する場合の数は 2025 通りになります:

 ・一度引いたカードは箱の中に戻すものとする。

 ・ 0 円のカードを追加し,0 円でも「支払った」ものとする。

 この場合は,解説における a,\ b,\ c,\ d および e,\ f,\ g,\ h の制約が減り,本問題で除いていた場合を除かないため,単に (a+1)(b+1)(c+1)(d+1) の総和 2025 になるというわけです。これ,カードが 0 円以上 10^ n-1 円以下の場合に一般化でき,上記の変更ルールに基づいて行うと,「成立」する場合の数は 45^ n 通りになります。

 よくある「支払う硬貨の個数を最小化する問題」の発展で 2025 が出てくるというのはとてもおもしろい話で,出題者はさぞかし楽しかっただろうな〜と感じます。

 また,他にも色々な拡張をして楽しめそうです。人数を増やしてみたりだとか(計算量はどんどん増えますが...),n 進法を導入してみたりだとか。是非みなさん,やってみてください。

 

 それでは今回の記事は以上です。ありがとうございました!

 (あ,この前の作問の解説はまたいつかちゃんと作ります)

2023灘高校 大問1⑵ 二次方程式の解と係数 +α

今回は灘高校の小問集合,⑵を解いていきます。

‘‘2023’’関連の問題ですが,様々な数値で類題が作れそうです。

 

 

 x の方程式 x^ 2+x-n+1=0 が整数解をもつような整数nのうち,

  n-2023 の絶対値が最も小さいものを求めよ。

 

※下は解答になっています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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式の値-大学入試みたいな高校入試問題

「式の値」の問題は,大抵は小問集合に「式の展開・因数分解」分野と一緒に出題されます。基本的には「与えられた式を整理してから代入する」が鉄則ですが,そもそも素直に代入させてくれない問題も多くあります。

 今回は少し工夫が必要な問題を10問ピックアップして紹介します。

  難易度は,易⑴~難⑽で,⑺から急に難しくなります。(※主観です)

 

 

問題

⑴(江戸川学園取手高)

 7x+2y=-x-5y のとき,\displaystyle{\frac{5x-8y}{4x+9y}} の値を求めよ。

 

⑵(渋谷教育学園幕張高)

 x^ 2-x-1=0 のとき,x^ 5-x^ 4-x^ 3+x^ 2-x-2 の値を求めよ。

 

⑶(東大寺学園高)

 m-n=2,   mn=4 のとき,(n^ 2+1)m-(m^ 2+1)n の値を求めよ。

 

⑷(城北高)

 (a+1)(b+1)=7, (a-1)(b-1)=-1 のとき,(a+2)(b+2) の値を求めよ。

 

⑸(西大和学園高)

 x=\sqrt{7}+\sqrt{3},   y=\sqrt{7}-\sqrt{3} のとき,

  2x^ 2-5xy-3y^ 2-(x+y)(x-4y) の値を求めよ。

 

⑹(大阪星光学院高)

 a=2+\sqrt{3},   b=2-\sqrt{3} のとき,a^ 7b^ 5+a^ 4b^ 6 の値を求めよ。

 

⑺(中央大杉並高)

 x+y+z=7,   xyz=7,   \displaystyle{\frac{1}x+\frac{1}y+\frac{1}z=\frac{13}7} のとき,

 \displaystyle{(1+\frac{1}x)(1+\frac{1}y)(1+\frac{1}z)} の値を求めよ。

 

⑻(慶應義塾高)

 3x^ 2-15x+7=0 のとき,3x^ 4-15x^ 3+35x-16 の値を求めよ。

 

⑼(灘高)

 a+b+c+d=4, 

 \displaystyle{a(\frac{1}b+\frac{1}c+\frac{1}d)+b(\frac{1}a+\frac{1}c+\frac{1}d)+c(\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}d)+d(\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}c)=-14}

のとき,\displaystyle{\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}c+\frac{1}d} の値を求めよ。

 

⑽(渋谷教育学園幕張高)

 \displaystyle{x+\frac{1}{x}=5-\sqrt{5}} のとき,\displaystyle{\frac{\sqrt{x^ 4-10x^ 3+25x^ 2-10x+1}}{x}} の値を求めよ。

 

 

 

 

 

         - 下にスクロールすると解説があります -

 

 

 

 

 

 

 

⑴~⑸ 解説

7x+2y=-x-5y のとき,\displaystyle{\frac{5x-8y}{4x+9y}} の値を求めよ。

 

(答)7x+2y=-x-5y を整理して,8x=-7y を得る。これをうまく利用する。   

     \displaystyle{\frac{5x-8y}{4x+9y}}

    =\displaystyle{\frac{8(5x-8y)}{8(4x+9y)}}

    =\displaystyle{\frac{5×8x-8×8y}{4×8x+8×9y}}

    =\displaystyle{\frac{5×(-7y)-8×8y}{4×(-7y)+8×9y}}

    =\displaystyle{\frac{-99y}{44y}=-\frac{9}4}

 

(別解)8x=-7y より x:y=-7:8. x=-7k, y=8k とおくと,

 (与式)=\displaystyle{\frac{5×(-7k)-8×8k}{4×(-7k)+9×8k}}

     =\displaystyle{\frac{-99k}{44k}=-\frac{9}4}

 

 

x^ 2-x-1=0 のとき,x^ 5-x^ 4-x^ 3+x^ 2-x-2 の値を求めよ。

 

(答)x^ 5-x^ 4-x^ 3+x^ 2-x-2

  =x^ 3(x^ 2-x-1)+(x^ 2-x-1)-1    (x^ 2-x-1=0 を利用する)

  =x^ 3×0-0-1=-1

 

 

m-n=2,   mn=4 のとき,(n^ 2+1)m-(m^ 2+1)n の値を求めよ。

 

(答)(与式)=mn^ 2+m-m^ 2n-n

       =(mn^ 2-m^ 2n)+(m-n)

       =-mn(m-n)+(m-n)=-4×2+2=-6

 

 

(a+1)(b+1)=7, (a-1)(b-1)=-1 のとき, (a+2)(b+2) の値を求めよ。

 

(答)(a+1)(b+1)=ab+a+b+1=7 →ab+a+b=6 ・・・・・・・①

   (a-1)(b-1)=ab-(a+b)-1=-1 →ab-(a+b)=0 ・・・・・・・②

 ①-②より 2(a+b)=6   ∴a+b=3

 ①+②より 2ab=6     ∴ab=3

   ∴(a+2)(b+2)=ab+2(a+b)+4=3+2×3+4=13

 

 

⑸ x=\sqrt{7}+\sqrt{3},   y=\sqrt{7}-\sqrt{3} のとき,

  2x^ 2-5xy-3y^ 2-(x+y)(x-4y) の値を求めよ。

 

(答)(与式)=2x^ 2-5xy-3y^ 2-x^ 2+3xy+4y^ 2

       =x^ 2-2xy+y^ 2

       =(x-y)^ 2=\{(\sqrt{7}+\sqrt{3})-(\sqrt{7}-\sqrt{3})\}^ 2

       =(2\sqrt{3})^ 2=12

 

 

⑹~⑽ 解説

a=2+\sqrt{3},   b=2-\sqrt{3} のとき,a^ 7b^ 5+a^ 4b^ 6 の値を求めよ。

 

(答)a+b=4,  ab=(2-\sqrt{3})(2+\sqrt{3})=4-3=1 である。

   a^ 7b^ 5+a^ 4b^ 6=a^ 7b^ 5+a^ 4b^ 6×ab  (ab=1 を利用する)

  =(ab)^ 5(a^ 2+b^ 2)=a^ 2+b^ 2

  =(a+b)^ 2-2ab=4^ 2-2×1=14

 

 

⑺ x+y+z=7,   xyz=7,  \displaystyle{\frac{1}x+\frac{1}y+\frac{1}z=\frac{13}7}  のとき,

  \displaystyle{(1+\frac{1}x)(1+\frac{1}y)(1+\frac{1}z)} の値を求めよ。

 

(答)\displaystyle{\frac{1}x+\frac{1}y+\frac{1}z=\frac{xy+yz+zx}{xyz}=\frac{13}7} ∴xy+yz+zx=13

 \displaystyle{X=(1+\frac{1}x)(1+\frac{1}y)(1+\frac{1}z)×xyz=x(1+\frac{1}x)y(1+\frac{1}y)z(1+\frac{1}z)}  とおく。

求める値は \displaystyle{\frac{X}{xyz}=\frac{(x+1)(y+1)(z+1)}{xyz}}

       \displaystyle{=\frac{(xyz)+(xy+yz+zx)+(x+y+z)+1}{xyz}}

       \displaystyle{=\frac{7+13+7+1}7=4}

 

 

3x^ 2-15x+7=0 のとき,3x^ 4-15x^ 3+35x-16 の値を求めよ。

 

(答)3x^ 4-15x^ 3+35x-16=x^ 2(3x^ 2-15x)+35x-16

  \displaystyle{=-7x^ 2+35x-16=-\frac{7}{3}(3x^ 2-15x)-16・・・・・・・・㋐}

  \displaystyle{=-\frac{7}{3}×(-7)-16=\frac{49}3-\frac{48}3=\frac{1}3}

 

(別解)㋐の変形に気付けなかった場合(意味はほぼ同じ)

  \displaystyle{3x^ 2-15x+7=0→x^ 2-5x=-\frac{7}3}

  \displaystyle{-7x^ 2+35x-16=-7(x^ 2-5x)-16=-7×(-\frac{7}3)-16=\frac{1}3}

 

 

a+b+c+d=4, 

\displaystyle{a(\frac{1}b+\frac{1}c+\frac{1}d)+b(\frac{1}a+\frac{1}c+\frac{1}d)+c(\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}d)+d(\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}c)=-14}

のとき,\displaystyle{\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}c+\frac{1}d} の値を求めよ。

 

(答)\displaystyle{X=\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}c+\frac{1}d} とおく。

 \displaystyle{a(\frac{1}b+\frac{1}c+\frac{1}d)+b(\frac{1}a+\frac{1}c+\frac{1}d)+c(\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}d)+d(\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}c)}

\displaystyle{=a(X-\frac{1}a)+b(X-\frac{1}b)+c(X-\frac{1}c)+d(X-\frac{1}d)}

=aX-1+bX-1+cX-1+dX-1=(a+b+c+d)X-4=-14

   ∴4X=-10  \displaystyle{∴X=-\frac{5}2}

 

(別解)こっちの方が模範解に近いかもしれない。

 \displaystyle{a(\frac{1}b+\frac{1}c+\frac{1}d)+b(\frac{1}a+\frac{1}c+\frac{1}d)+c(\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}d)+d(\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}c)}

\displaystyle{=(\frac{a}b+\frac{a}c+\frac{a}d)+(\frac{b}a+\frac{b}c+\frac{b}d)+(\frac{c}a+\frac{c}b+\frac{c}d)+(\frac{d}a+\frac{d}b+\frac{d}c)}

\displaystyle{=\frac{b+c+d}a+\frac{a+c+d}b+\frac{a+b+d}c+\frac{a+b+c}d}

\displaystyle{=\frac{4-a}a+\frac{4-b}b+\frac{4-c}c+\frac{4-d}d}

\displaystyle{=4(\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}c+\frac{1}d)-1-1-1-1=-14}

   \displaystyle{∴\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}c+\frac{1}d=-\frac{5}2}

 

 

\displaystyle{x+\frac{1}{x}=5-\sqrt{5}} のとき,\displaystyle{\frac{\sqrt{x^ 4-10x^ 3+25x^ 2-10x+1}}{x}} の値を求めよ。

 

(答)\displaystyle{x^ 2+\frac{1}{x^ 2}=(x+\frac{1}x)^ 2-2=(5-\sqrt{5})^ 2-2=28-10\sqrt{5}}

 \displaystyle{\frac{\sqrt{x^ 4-10x^ 3+25x^ 2-10x+1}}{x}=\sqrt{\frac{x^ 4-10x^ 3+25x^ 2-10x+1}{x^ 2}}}

 =\displaystyle{\sqrt{x^ 2-10x+25-\frac{10}x+\frac{1}{x^ 2}}=\sqrt{(x^ 2+\frac{1}{x^ 2})-10(x+\frac{1}x)+25}}

 =\sqrt{(28-10\sqrt{5})-10(5-\sqrt{5})+25}=\sqrt{3}

 

(注)係数が左右対称な4次式は,式をx^ 2 で割ると, \displaystyle{x+\frac{1}x=t} で表せる。

  X=(x^ 4+ax^ 3+bx^ 2+ax+1) のとき,

 \displaystyle{\frac{X}{x^ 2}=x^ 2+ax+b+\frac{a}x+\frac{1}{x^ 2}}\displaystyle{=(x^ 2+\frac{1}{x^ 2})+a(x+\frac{1}x)+b}

  \displaystyle{x+\frac{1}x=t→x^ 2+\frac{1}{x^ 2}=t^ 2-2} とおくと,\displaystyle{\frac{X}{x^ 2}=t^ 2+at+b-2}

 これは,式の値を求めるほかに,方程式 X=0 を解くのにも使える。

 

 

 

 解説終わりです。難しいものでは,指数法則,対称式や相反方程式などどう考えても高校範囲の知識を求められます。こういうのが入試の一番最初の問題,小問集合とかに「簡単な問題」として来やがることを考えると,恐ろしいですね。

 

 そういえば今日は共通テスト2日目ですね。頑張ってください。(適当)

高校受験生の皆さんも,後僅かですが応援しています。

 (私は今年度最後の模試が終わったので気が楽です)

当ブログの共テ関連では,数Ⅰ・Aの問題を(私が解ければ)載せるかもしれません。

 今後は,2023年度の高校入試問題(数学)を中心に投稿していきます。

''2023''関連・規則性の問題 解説

先日更新したブログ↓↓の,Part.2の問題の解説です。

 

規則性,特に数列の問題で第2023項を求めさせることは多いでしょう。

2023だけでなく他のどの数であっても,応用を利かせることができればいいですね。

大問数は2問で,両方とも中学入試にありそうな問題です(知らんけど)

※上記のブログでの表記は各々⑻,⑼となってますが,今回は2問のみの掲載ですので,「問題1」「問題2」(+関連する単元)で見出し表記にしております。

 ちなみに個人的な難易度は,問題1・・・・・・難,問題2・・・・・・普通~やや難 です。

 

問題1 (既約分数・約数,数列の和)

 分母が2023であるような正の既約分数を小さいものから順に並べるとき,

 ① 2023番目の数を求めよ。

 ② \frac{2022}{2023}は何番目の数か。

 ③ ②までに並ぶ数( \frac{2022}{2023} を含む)すべての和を求めよ。

 

 

 

 

 

 

 

       - 下にスクロールすると解答・解説があります -

 

 

 

 

 

 

 

 

 問題1 解答・解説

解答 ① 2507  ② 1632番目  ③ 816

 

解説 この数列に含まれる数を\frac{n}{2023}n2023と互いに素な自然数)とおく。

\frac{m}{2023}が何番目の数かを知るには,1≦n≦mの範囲にこのnが何個あるかを数えればいい。(したがって,②の方が比較的解きやすい(更新してから気づいた)

 

②から解く。以下,[x]x以下の最大の整数を表すものとする。

1から2022までの自然数のうち,2023と互いに素であるものの個数は,2023=7×17^ 2より,7でも17でも割り切れない数を数えればいい。

 ステップ❶~❸に分けて数える。

 

❶ 1から2022までの自然数のうち,7で割り切れる数は,

 [\frac{2022}7]=288より,288

 

❷ 1から2022までの自然数のうち,17で割り切れる数は,

 [\frac{2022}{17}]=118より,118

 

❸ 1から2022までの自然数のうち,7×17で割り切れる数は,

 [\frac{2022}{7×17}]=16より,16

 

求める自然数の個数は,2022-(❶+❷-❸)である(ベン図を書くとわかる)から,

 2022-(288+118-16)=1632より,1632

したがって,②\frac{2022}{2023}は,1632番目の数である。

 

 

③ \frac{2022}{2023}までの数の分子は全て2023と互いに素な数である。

 よって,求める和の分母を2023とすると,分子は,

A=1から2022までのすべての自然数の和)

B=1から2022までのすべての7の倍数の和)

C=1から2022までのすべての17の倍数の和)

D=1から2022までのすべての119の倍数の和) 

 として,A-(B+C-D)で求められる。(D:重複分)

 

A=\displaystyle{\sum_{k=1}^ {2022} k}=\frac{2022×2023}2

B=\displaystyle{\sum_{k=1}^ {[\frac{2022}7]} 7k}=7\displaystyle{\sum_{k=1}^ {288} k}=\frac{7×288×289}2=\frac{288×2023}2

C=\displaystyle{\sum_{k=1}^ {[\frac{2022}{17}]} 17k}=17\displaystyle{\sum_{k=1}^ {118} k}=\frac{17×118×119}2=\frac{118×2023}2

D=\displaystyle{\sum_{k=1}^ {[\frac{2022}{119}]} 119k}=119\displaystyle{\sum_{k=1}^ {16} k}=\frac{119×16×17}2=\frac{16×2023}2

 

\displaystyle{∴A-(B+C-D)=\frac{2022×2023}2-(\frac{288×2023}2+\frac{118×2023}2-\frac{16×2023}2)}

\displaystyle{=\frac{2023}2×\{2022-(288+118-16)\}=\frac{2023}2×1632=2023×816}

 

よって,③求める値は \displaystyle{\frac{2023×816}{2023}=816} (答)

 

 

 

① ②の計算過程を利用する。k番目の数nは,以下の式を満たす;

 n-([\frac{n}7]+[\frac{n}{17}]-[\frac{n}{7×17}])=k.

 k=2023となるときのnを求める。nが大きくなるほどkは大きくなる。

nの増加量に対するkの増加量を考える。n=m+7×17を代入すると,

 k=(m+7×17)-([\frac{m+7×17}7]+[\frac{m+7×17}{17}]-[\frac{m+7×17}{7×17}])

 =(m+119)-([\frac{m}7]+17+[\frac{m}{17}]+7-[\frac{m}{7×17}]-1)

 =(m+119)-([\frac{m}7]+[\frac{m}{17}]-[\frac{m}{7×17}]+23)

 =m-([\frac{m}7]+[\frac{m}{17}]-[\frac{m}{7×17}])+96

よって,n7×17=119増加すると,k96増加する。

 ②より,n=2022のときk=1632であるから,2023-1632=391増加させるためには,n\frac{391}{96}×119=484.67...増加させる必要がある。

 n=2022+484=2506を代入すると,

 k=2506-([\frac{2506}7]+[\frac{2506}{17}]-[\frac{2506}{7×17}])=2506-(358+147-21)=2022.

 

 よって,25062022番目の数である。また,2506=7×358=17×147+7

より,25077でも17でも割り切れないから,この数列に属する。したがって,①2023番目の数は,2507である。

 

(一言)もう少し簡単な解き方ないですかね。①の実験の手数はなるべく減らしたいですね。

 「互いに素」系の問題を発展させた問題です。和を求めるのはかなり難しいと思います。

 

 

 

 

 

問題2 (整数を並べてできる数,桁数)

 1から2023までの整数を以下のように並べてできる整数Nを考える。

  N=1234567891011121314・・・20222023

 ① 数Nの十進法での桁数を求めよ。

 ② 数N2023桁目の数を求めよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 問題2 解答・解説

解答 ① 6995桁   ② 7

 

解説 数Nを以下のように区切って考える。

 N=|123456789|1011・・・・・・・99|100101・・・・・・・999|10001001・・・・・・・2023|

 

このとき,左端の組に並ぶ数は1から9までの整数すべてであり,

 その桁数は(9-1+1)×1=9桁・・・・・・・・㋐

左から2番目の組に並ぶ数は10から99までの整数すべてであり,

 その桁数は(99-10+1)×2=180桁・・・・・・・・㋑

左から3番目の組に並ぶ数は100から999までの整数すべてであり,

 その桁数は(999-100+1)×3=2700桁・・・・・・・・㋒

右端の組に並ぶ数は1000から2023までの整数すべてであり,

 その桁数は(2023-1000+1)×4=4096桁・・・・・・・・㋓

 

したがって,①数Nの桁数は㋐+㋑+㋒+㋓=6995桁 (答)

 

また,2023桁目の数は,左から3番目の組に含まれる。

左から3番目の組は190桁目から始まり,並ぶ数は3桁の整数である。

左から3番目の組を,さらに,以下のように分ける;

 |100|101|102|103|・・・・・・・・|997|998|999|

このとき,n自然数として,左からn番目の組に含まれる数は,99+n

である。さらに,左からn番目の組の右端の数は,(189+3n)桁目の数である。

2023-189=1834=3×611+1であるから,左から611番目の組の右端の数が,

2022桁目の数である。よって,左から612番目の組の左端の数が,求める数である。

 左から612番目の組に含まれる数は99+612=711であるから,この左端の数は

   ② 7 (答)

 

(一言)群数列ですね。類題では,「1の数を数えさせる」「各桁の数の和を求めさせる」などがありそうです。桁数を求めるだけなら簡単な部類だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(余談)2023関連の計算問題

  前回の記事には2023関連の計算問題を載せようと思っていたのですが,いい問題が浮かばなかったので見送りました。が,今回の記事を書いている間に思いついてしまったので,こちらも載せたいと思います。算数っぽく見えますが,高校入試用です。

 

問 0.2023×20.23+6.174×1.977-1.977×(2.128-1.977) を計算せよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解説

 2.023=x, 1.977=y とおくと,0.2023×20.23=2.023^ 2=x^ 2 であり,

 (与式)=x^ 2+6.174y-y(2.128-y)=x^ 2+(6.174-2.128)y+y^ 2

 =x^ 2+4.046y+y^ 2=x^ 2+2xy+y^ 2 (4.046=2×2.023 より)

 =(x+y)^ 2=(2.023+1.977)^ 2=4^ 2=16 (答)

 

(一言)2.023+1.977=4 なので勘で解けるかもしれません。おそらく難しく見えるのは,

 わざわざ2.023×2.0230.2023×20.23に書き換えているからでしょうね。

 

 

 

 

 

(再余談)ついでに,こいつも対策しておきますか...?

問 2023^ 42^ 4で割ったときの余りは1に等しい。

 不定方程式2023^ 5x-2^ 5y=1の整数解のうち,xが正で最小のものは

  x=[アイ], y=[ ウエオカキクケコサシスセソタチツテ] である。

※この問題の解説は時間の無駄なのでしません。Wolframとかに入れてみてください。