趣味の数学blog.

自作問題や私の好きな問題を解いたりします。

奇問の小問集合①(自作問題)

作問って難しいですね。私は春休みに入って暇なので作問を進めているのですが,

  計算が煩雑でない+程よく差がつく+コンセプトがはっきりしている

問題を作るのは大変,というか無理です。先生方,いつもお疲れ様です。

さて,今回は私立対策に丁度よさそうな骨のある小問集合です。

pdfは下記リンクからどうぞ↓↓↓(ドライブが開きます)

    奇問の小問集合①.pdf - Google ドライブ

※出題範囲:⑴平方根の計算 ⑵因数分解 ⑶整数問題 ⑷確率 ⑸相似・線分比

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2023灘高校 大問1⑵ 二次方程式の解と係数 +α

今回は灘高校の小問集合,⑵を解いていきます。

‘‘2023’’関連の問題ですが,様々な数値で類題が作れそうです。

 

 

 x の方程式 x^ 2+x-n+1=0 が整数解をもつような整数nのうち,

  n-2023 の絶対値が最も小さいものを求めよ。

 

※下は解答になっています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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式の値-大学入試みたいな高校入試問題

「式の値」の問題は,大抵は小問集合に「式の展開・因数分解」分野と一緒に出題されます。基本的には「与えられた式を整理してから代入する」が鉄則ですが,そもそも素直に代入させてくれない問題も多くあります。

 今回は少し工夫が必要な問題を10問ピックアップして紹介します。

  難易度は,易⑴~難⑽で,⑺から急に難しくなります。(※主観です)

 

 

問題

⑴(江戸川学園取手高)

 7x+2y=-x-5y のとき,\displaystyle{\frac{5x-8y}{4x+9y}} の値を求めよ。

 

⑵(渋谷教育学園幕張高)

 x^ 2-x-1=0 のとき,x^ 5-x^ 4-x^ 3+x^ 2-x-2 の値を求めよ。

 

⑶(東大寺学園高)

 m-n=2,   mn=4 のとき,(n^ 2+1)m-(m^ 2+1)n の値を求めよ。

 

⑷(城北高)

 (a+1)(b+1)=7, (a-1)(b-1)=-1 のとき,(a+2)(b+2) の値を求めよ。

 

⑸(西大和学園高)

 x=\sqrt{7}+\sqrt{3},   y=\sqrt{7}-\sqrt{3} のとき,

  2x^ 2-5xy-3y^ 2-(x+y)(x-4y) の値を求めよ。

 

⑹(大阪星光学院高)

 a=2+\sqrt{3},   b=2-\sqrt{3} のとき,a^ 7b^ 5+a^ 4b^ 6 の値を求めよ。

 

⑺(中央大杉並高)

 x+y+z=7,   xyz=7,   \displaystyle{\frac{1}x+\frac{1}y+\frac{1}z=\frac{13}7} のとき,

 \displaystyle{(1+\frac{1}x)(1+\frac{1}y)(1+\frac{1}z)} の値を求めよ。

 

⑻(慶應義塾高)

 3x^ 2-15x+7=0 のとき,3x^ 4-15x^ 3+35x-16 の値を求めよ。

 

⑼(灘高)

 a+b+c+d=4, 

 \displaystyle{a(\frac{1}b+\frac{1}c+\frac{1}d)+b(\frac{1}a+\frac{1}c+\frac{1}d)+c(\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}d)+d(\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}c)=-14}

のとき,\displaystyle{\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}c+\frac{1}d} の値を求めよ。

 

⑽(渋谷教育学園幕張高)

 \displaystyle{x+\frac{1}{x}=5-\sqrt{5}} のとき,\displaystyle{\frac{\sqrt{x^ 4-10x^ 3+25x^ 2-10x+1}}{x}} の値を求めよ。

 

 

 

 

 

         - 下にスクロールすると解説があります -

 

 

 

 

 

 

 

⑴~⑸ 解説

7x+2y=-x-5y のとき,\displaystyle{\frac{5x-8y}{4x+9y}} の値を求めよ。

 

(答)7x+2y=-x-5y を整理して,8x=-7y を得る。これをうまく利用する。   

     \displaystyle{\frac{5x-8y}{4x+9y}}

    =\displaystyle{\frac{8(5x-8y)}{8(4x+9y)}}

    =\displaystyle{\frac{5×8x-8×8y}{4×8x+8×9y}}

    =\displaystyle{\frac{5×(-7y)-8×8y}{4×(-7y)+8×9y}}

    =\displaystyle{\frac{-99y}{44y}=-\frac{9}4}

 

(別解)8x=-7y より x:y=-7:8. x=-7k, y=8k とおくと,

 (与式)=\displaystyle{\frac{5×(-7k)-8×8k}{4×(-7k)+9×8k}}

     =\displaystyle{\frac{-99k}{44k}=-\frac{9}4}

 

 

x^ 2-x-1=0 のとき,x^ 5-x^ 4-x^ 3+x^ 2-x-2 の値を求めよ。

 

(答)x^ 5-x^ 4-x^ 3+x^ 2-x-2

  =x^ 3(x^ 2-x-1)+(x^ 2-x-1)-1    (x^ 2-x-1=0 を利用する)

  =x^ 3×0-0-1=-1

 

 

m-n=2,   mn=4 のとき,(n^ 2+1)m-(m^ 2+1)n の値を求めよ。

 

(答)(与式)=mn^ 2+m-m^ 2n-n

       =(mn^ 2-m^ 2n)+(m-n)

       =-mn(m-n)+(m-n)=-4×2+2=-6

 

 

(a+1)(b+1)=7, (a-1)(b-1)=-1 のとき, (a+2)(b+2) の値を求めよ。

 

(答)(a+1)(b+1)=ab+a+b+1=7 →ab+a+b=6 ・・・・・・・①

   (a-1)(b-1)=ab-(a+b)-1=-1 →ab-(a+b)=0 ・・・・・・・②

 ①-②より 2(a+b)=6   ∴a+b=3

 ①+②より 2ab=6     ∴ab=3

   ∴(a+2)(b+2)=ab+2(a+b)+4=3+2×3+4=13

 

 

⑸ x=\sqrt{7}+\sqrt{3},   y=\sqrt{7}-\sqrt{3} のとき,

  2x^ 2-5xy-3y^ 2-(x+y)(x-4y) の値を求めよ。

 

(答)(与式)=2x^ 2-5xy-3y^ 2-x^ 2+3xy+4y^ 2

       =x^ 2-2xy+y^ 2

       =(x-y)^ 2=\{(\sqrt{7}+\sqrt{3})-(\sqrt{7}-\sqrt{3})\}^ 2

       =(2\sqrt{3})^ 2=12

 

 

⑹~⑽ 解説

a=2+\sqrt{3},   b=2-\sqrt{3} のとき,a^ 7b^ 5+a^ 4b^ 6 の値を求めよ。

 

(答)a+b=4,  ab=(2-\sqrt{3})(2+\sqrt{3})=4-3=1 である。

   a^ 7b^ 5+a^ 4b^ 6=a^ 7b^ 5+a^ 4b^ 6×ab  (ab=1 を利用する)

  =(ab)^ 5(a^ 2+b^ 2)=a^ 2+b^ 2

  =(a+b)^ 2-2ab=4^ 2-2×1=14

 

 

⑺ x+y+z=7,   xyz=7,  \displaystyle{\frac{1}x+\frac{1}y+\frac{1}z=\frac{13}7}  のとき,

  \displaystyle{(1+\frac{1}x)(1+\frac{1}y)(1+\frac{1}z)} の値を求めよ。

 

(答)\displaystyle{\frac{1}x+\frac{1}y+\frac{1}z=\frac{xy+yz+zx}{xyz}=\frac{13}7} ∴xy+yz+zx=13

 \displaystyle{X=(1+\frac{1}x)(1+\frac{1}y)(1+\frac{1}z)×xyz=x(1+\frac{1}x)y(1+\frac{1}y)z(1+\frac{1}z)}  とおく。

求める値は \displaystyle{\frac{X}{xyz}=\frac{(x+1)(y+1)(z+1)}{xyz}}

       \displaystyle{=\frac{(xyz)+(xy+yz+zx)+(x+y+z)+1}{xyz}}

       \displaystyle{=\frac{7+13+7+1}7=4}

 

 

3x^ 2-15x+7=0 のとき,3x^ 4-15x^ 3+35x-16 の値を求めよ。

 

(答)3x^ 4-15x^ 3+35x-16=x^ 2(3x^ 2-15x)+35x-16

  \displaystyle{=-7x^ 2+35x-16=-\frac{7}{3}(3x^ 2-15x)-16・・・・・・・・㋐}

  \displaystyle{=-\frac{7}{3}×(-7)-16=\frac{49}3-\frac{48}3=\frac{1}3}

 

(別解)㋐の変形に気付けなかった場合(意味はほぼ同じ)

  \displaystyle{3x^ 2-15x+7=0→x^ 2-5x=-\frac{7}3}

  \displaystyle{-7x^ 2+35x-16=-7(x^ 2-5x)-16=-7×(-\frac{7}3)-16=\frac{1}3}

 

 

a+b+c+d=4, 

\displaystyle{a(\frac{1}b+\frac{1}c+\frac{1}d)+b(\frac{1}a+\frac{1}c+\frac{1}d)+c(\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}d)+d(\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}c)=-14}

のとき,\displaystyle{\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}c+\frac{1}d} の値を求めよ。

 

(答)\displaystyle{X=\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}c+\frac{1}d} とおく。

 \displaystyle{a(\frac{1}b+\frac{1}c+\frac{1}d)+b(\frac{1}a+\frac{1}c+\frac{1}d)+c(\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}d)+d(\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}c)}

\displaystyle{=a(X-\frac{1}a)+b(X-\frac{1}b)+c(X-\frac{1}c)+d(X-\frac{1}d)}

=aX-1+bX-1+cX-1+dX-1=(a+b+c+d)X-4=-14

   ∴4X=-10  \displaystyle{∴X=-\frac{5}2}

 

(別解)こっちの方が模範解に近いかもしれない。

 \displaystyle{a(\frac{1}b+\frac{1}c+\frac{1}d)+b(\frac{1}a+\frac{1}c+\frac{1}d)+c(\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}d)+d(\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}c)}

\displaystyle{=(\frac{a}b+\frac{a}c+\frac{a}d)+(\frac{b}a+\frac{b}c+\frac{b}d)+(\frac{c}a+\frac{c}b+\frac{c}d)+(\frac{d}a+\frac{d}b+\frac{d}c)}

\displaystyle{=\frac{b+c+d}a+\frac{a+c+d}b+\frac{a+b+d}c+\frac{a+b+c}d}

\displaystyle{=\frac{4-a}a+\frac{4-b}b+\frac{4-c}c+\frac{4-d}d}

\displaystyle{=4(\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}c+\frac{1}d)-1-1-1-1=-14}

   \displaystyle{∴\frac{1}a+\frac{1}b+\frac{1}c+\frac{1}d=-\frac{5}2}

 

 

\displaystyle{x+\frac{1}{x}=5-\sqrt{5}} のとき,\displaystyle{\frac{\sqrt{x^ 4-10x^ 3+25x^ 2-10x+1}}{x}} の値を求めよ。

 

(答)\displaystyle{x^ 2+\frac{1}{x^ 2}=(x+\frac{1}x)^ 2-2=(5-\sqrt{5})^ 2-2=28-10\sqrt{5}}

 \displaystyle{\frac{\sqrt{x^ 4-10x^ 3+25x^ 2-10x+1}}{x}=\sqrt{\frac{x^ 4-10x^ 3+25x^ 2-10x+1}{x^ 2}}}

 =\displaystyle{\sqrt{x^ 2-10x+25-\frac{10}x+\frac{1}{x^ 2}}=\sqrt{(x^ 2+\frac{1}{x^ 2})-10(x+\frac{1}x)+25}}

 =\sqrt{(28-10\sqrt{5})-10(5-\sqrt{5})+25}=\sqrt{3}

 

(注)係数が左右対称な4次式は,式をx^ 2 で割ると, \displaystyle{x+\frac{1}x=t} で表せる。

  X=(x^ 4+ax^ 3+bx^ 2+ax+1) のとき,

 \displaystyle{\frac{X}{x^ 2}=x^ 2+ax+b+\frac{a}x+\frac{1}{x^ 2}}\displaystyle{=(x^ 2+\frac{1}{x^ 2})+a(x+\frac{1}x)+b}

  \displaystyle{x+\frac{1}x=t→x^ 2+\frac{1}{x^ 2}=t^ 2-2} とおくと,\displaystyle{\frac{X}{x^ 2}=t^ 2+at+b-2}

 これは,式の値を求めるほかに,方程式 X=0 を解くのにも使える。

 

 

 

 解説終わりです。難しいものでは,指数法則,対称式や相反方程式などどう考えても高校範囲の知識を求められます。こういうのが入試の一番最初の問題,小問集合とかに「簡単な問題」として来やがることを考えると,恐ろしいですね。

 

 そういえば今日は共通テスト2日目ですね。頑張ってください。(適当)

高校受験生の皆さんも,後僅かですが応援しています。

 (私は今年度最後の模試が終わったので気が楽です)

当ブログの共テ関連では,数Ⅰ・Aの問題を(私が解ければ)載せるかもしれません。

 今後は,2023年度の高校入試問題(数学)を中心に投稿していきます。

''2023''関連・規則性の問題 解説

先日更新したブログ↓↓の,Part.2の問題の解説です。

 

規則性,特に数列の問題で第2023項を求めさせることは多いでしょう。

2023だけでなく他のどの数であっても,応用を利かせることができればいいですね。

大問数は2問で,両方とも中学入試にありそうな問題です(知らんけど)

※上記のブログでの表記は各々⑻,⑼となってますが,今回は2問のみの掲載ですので,「問題1」「問題2」(+関連する単元)で見出し表記にしております。

 ちなみに個人的な難易度は,問題1・・・・・・難,問題2・・・・・・普通~やや難 です。

 

問題1 (既約分数・約数,数列の和)

 分母が2023であるような正の既約分数を小さいものから順に並べるとき,

 ① 2023番目の数を求めよ。

 ② \frac{2022}{2023}は何番目の数か。

 ③ ②までに並ぶ数( \frac{2022}{2023} を含む)すべての和を求めよ。

 

 

 

 

 

 

 

       - 下にスクロールすると解答・解説があります -

 

 

 

 

 

 

 

 

 問題1 解答・解説

解答 ① 2507  ② 1632番目  ③ 816

 

解説 この数列に含まれる数を\frac{n}{2023}n2023と互いに素な自然数)とおく。

\frac{m}{2023}が何番目の数かを知るには,1≦n≦mの範囲にこのnが何個あるかを数えればいい。(したがって,②の方が比較的解きやすい(更新してから気づいた)

 

②から解く。以下,[x]x以下の最大の整数を表すものとする。

1から2022までの自然数のうち,2023と互いに素であるものの個数は,2023=7×17^ 2より,7でも17でも割り切れない数を数えればいい。

 ステップ❶~❸に分けて数える。

 

❶ 1から2022までの自然数のうち,7で割り切れる数は,

 [\frac{2022}7]=288より,288

 

❷ 1から2022までの自然数のうち,17で割り切れる数は,

 [\frac{2022}{17}]=118より,118

 

❸ 1から2022までの自然数のうち,7×17で割り切れる数は,

 [\frac{2022}{7×17}]=16より,16

 

求める自然数の個数は,2022-(❶+❷-❸)である(ベン図を書くとわかる)から,

 2022-(288+118-16)=1632より,1632

したがって,②\frac{2022}{2023}は,1632番目の数である。

 

 

③ \frac{2022}{2023}までの数の分子は全て2023と互いに素な数である。

 よって,求める和の分母を2023とすると,分子は,

A=1から2022までのすべての自然数の和)

B=1から2022までのすべての7の倍数の和)

C=1から2022までのすべての17の倍数の和)

D=1から2022までのすべての119の倍数の和) 

 として,A-(B+C-D)で求められる。(D:重複分)

 

A=\displaystyle{\sum_{k=1}^ {2022} k}=\frac{2022×2023}2

B=\displaystyle{\sum_{k=1}^ {[\frac{2022}7]} 7k}=7\displaystyle{\sum_{k=1}^ {288} k}=\frac{7×288×289}2=\frac{288×2023}2

C=\displaystyle{\sum_{k=1}^ {[\frac{2022}{17}]} 17k}=17\displaystyle{\sum_{k=1}^ {118} k}=\frac{17×118×119}2=\frac{118×2023}2

D=\displaystyle{\sum_{k=1}^ {[\frac{2022}{119}]} 119k}=119\displaystyle{\sum_{k=1}^ {16} k}=\frac{119×16×17}2=\frac{16×2023}2

 

\displaystyle{∴A-(B+C-D)=\frac{2022×2023}2-(\frac{288×2023}2+\frac{118×2023}2-\frac{16×2023}2)}

\displaystyle{=\frac{2023}2×\{2022-(288+118-16)\}=\frac{2023}2×1632=2023×816}

 

よって,③求める値は \displaystyle{\frac{2023×816}{2023}=816} (答)

 

 

 

① ②の計算過程を利用する。k番目の数nは,以下の式を満たす;

 n-([\frac{n}7]+[\frac{n}{17}]-[\frac{n}{7×17}])=k.

 k=2023となるときのnを求める。nが大きくなるほどkは大きくなる。

nの増加量に対するkの増加量を考える。n=m+7×17を代入すると,

 k=(m+7×17)-([\frac{m+7×17}7]+[\frac{m+7×17}{17}]-[\frac{m+7×17}{7×17}])

 =(m+119)-([\frac{m}7]+17+[\frac{m}{17}]+7-[\frac{m}{7×17}]-1)

 =(m+119)-([\frac{m}7]+[\frac{m}{17}]-[\frac{m}{7×17}]+23)

 =m-([\frac{m}7]+[\frac{m}{17}]-[\frac{m}{7×17}])+96

よって,n7×17=119増加すると,k96増加する。

 ②より,n=2022のときk=1632であるから,2023-1632=391増加させるためには,n\frac{391}{96}×119=484.67...増加させる必要がある。

 n=2022+484=2506を代入すると,

 k=2506-([\frac{2506}7]+[\frac{2506}{17}]-[\frac{2506}{7×17}])=2506-(358+147-21)=2022.

 

 よって,25062022番目の数である。また,2506=7×358=17×147+7

より,25077でも17でも割り切れないから,この数列に属する。したがって,①2023番目の数は,2507である。

 

(一言)もう少し簡単な解き方ないですかね。①の実験の手数はなるべく減らしたいですね。

 「互いに素」系の問題を発展させた問題です。和を求めるのはかなり難しいと思います。

 

 

 

 

 

問題2 (整数を並べてできる数,桁数)

 1から2023までの整数を以下のように並べてできる整数Nを考える。

  N=1234567891011121314・・・20222023

 ① 数Nの十進法での桁数を求めよ。

 ② 数N2023桁目の数を求めよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 問題2 解答・解説

解答 ① 6995桁   ② 7

 

解説 数Nを以下のように区切って考える。

 N=|123456789|1011・・・・・・・99|100101・・・・・・・999|10001001・・・・・・・2023|

 

このとき,左端の組に並ぶ数は1から9までの整数すべてであり,

 その桁数は(9-1+1)×1=9桁・・・・・・・・㋐

左から2番目の組に並ぶ数は10から99までの整数すべてであり,

 その桁数は(99-10+1)×2=180桁・・・・・・・・㋑

左から3番目の組に並ぶ数は100から999までの整数すべてであり,

 その桁数は(999-100+1)×3=2700桁・・・・・・・・㋒

右端の組に並ぶ数は1000から2023までの整数すべてであり,

 その桁数は(2023-1000+1)×4=4096桁・・・・・・・・㋓

 

したがって,①数Nの桁数は㋐+㋑+㋒+㋓=6995桁 (答)

 

また,2023桁目の数は,左から3番目の組に含まれる。

左から3番目の組は190桁目から始まり,並ぶ数は3桁の整数である。

左から3番目の組を,さらに,以下のように分ける;

 |100|101|102|103|・・・・・・・・|997|998|999|

このとき,n自然数として,左からn番目の組に含まれる数は,99+n

である。さらに,左からn番目の組の右端の数は,(189+3n)桁目の数である。

2023-189=1834=3×611+1であるから,左から611番目の組の右端の数が,

2022桁目の数である。よって,左から612番目の組の左端の数が,求める数である。

 左から612番目の組に含まれる数は99+612=711であるから,この左端の数は

   ② 7 (答)

 

(一言)群数列ですね。類題では,「1の数を数えさせる」「各桁の数の和を求めさせる」などがありそうです。桁数を求めるだけなら簡単な部類だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(余談)2023関連の計算問題

  前回の記事には2023関連の計算問題を載せようと思っていたのですが,いい問題が浮かばなかったので見送りました。が,今回の記事を書いている間に思いついてしまったので,こちらも載せたいと思います。算数っぽく見えますが,高校入試用です。

 

問 0.2023×20.23+6.174×1.977-1.977×(2.128-1.977) を計算せよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解説

 2.023=x, 1.977=y とおくと,0.2023×20.23=2.023^ 2=x^ 2 であり,

 (与式)=x^ 2+6.174y-y(2.128-y)=x^ 2+(6.174-2.128)y+y^ 2

 =x^ 2+4.046y+y^ 2=x^ 2+2xy+y^ 2 (4.046=2×2.023 より)

 =(x+y)^ 2=(2.023+1.977)^ 2=4^ 2=16 (答)

 

(一言)2.023+1.977=4 なので勘で解けるかもしれません。おそらく難しく見えるのは,

 わざわざ2.023×2.0230.2023×20.23に書き換えているからでしょうね。

 

 

 

 

 

(再余談)ついでに,こいつも対策しておきますか...?

問 2023^ 42^ 4で割ったときの余りは1に等しい。

 不定方程式2023^ 5x-2^ 5y=1の整数解のうち,xが正で最小のものは

  x=[アイ], y=[ ウエオカキクケコサシスセソタチツテ] である。

※この問題の解説は時間の無駄なのでしません。Wolframとかに入れてみてください。

2023年の入試・数学にはこれが出る...?

あけましておめでとうございます!2023年です!

今回は‘‘2023’’という数に関連した、今年の入試に出るかもしれない問題を作りました。

超頻出パターン問題から割と厄介な難問までを紹介し、解説していきます。

 ※冗長になりそうなのでPart.2の解説は次回に、問題ごと載せます。

(多くの方と似たような内容になると思いますが、お許し下さい)

それではいってみましょう!(問題の順番は難易度とは関係ありません)

 

 問題(Part.1・小問)

⑴ 2023素因数分解せよ。

 

⑵ 2023の正の約数の個数および総和を求めよ。

 

⑶ 2023の正の約数の逆数の総和を求めよ。

 

⑷ \sqrt{\frac{2023}n}自然数となるような最小の自然数nを求めよ。

 

⑸ \sqrt{2023+n^ 2}自然数となるような最小の自然数nを求めよ。

 

⑹ \frac{2023}{3179}を既約分数にせよ。

 

⑺ 2023^ {2023}の一の位の数を求めよ。

 

 

 

 問題(Part.2・規則性に関する大問形式の問題)

⑻ 分母が2023であるような正の既約分数を小さいものから順に並べるとき、

  ① 2023番目の数を求めよ。

  ② \frac{2022}{2023}は何番目の数か。

  ③ ②までに並ぶ数( \frac{2022}{2023} を含む)の和を求めよ。

 

 

⑼ 1から2023までの整数を以下のように並べてできる数を考える。

   1234567891011121314・・・20222023

  ① この数の10進法での桁数を求めよ。

  ② 2023桁目の数を求めよ。

 

 

- 問題終わり -

 

 気付いたら⑼まで作ってしまいました。年号は小問形式での出題や、規則性の最後の問題などでたまに見かけます(公立では見たことはないですが...)ので、ある程度の対策は必要になってくるでしょう。特に中学入試では必ず出てきますよね(知らんけど

 

それでは解説に移ろうと思います。現在1月1日22時58分、元日中に更新できるでしょうか...

 解説(Part.1・小問)

⑴ 地道に割っていきましょう。そこまで遠くはなく、倍数判定も使えないので。

 答 2023=7×17^ 2 

 

⑵ 約数の個数、総和の公式(塾とか参考書でよく出てきますよね)を使います。

 まあこれくらいは書き出してもいいと思いますが。

  2023が⑴と素因数分解されることより、

 答 約数の個数は(1+1)×(2+1)=6(個)

   約数の総和は(1+7)×(1+17+17^ 2)=2456

 

(注)自然数NN={p_1}^ {a_1}×{p_2}^ {a_2}×・・・×{p_n}^ {a_n} (p_1~p_nは異なる素数)

 と素因数分解されるとき、

 Nの約数の個数は(_1+1)×(a_2+1)×・・・×(a_n+1)(個)、

 Nの約数の総和は(1+{p_1}+・・・+{p_1}^ {a_1})×(1+{p_2}+・・・+{p_2}^ {a_2})×・・・×(1+{p_n}+・・・+{p_n}^ {a_n})

 と表される。(総和の方を簡潔にまとめると\displaystyle{\prod_{l=1}^{n}}{\displaystyle{\sum_{k=1}^{a_l+1}}{p_l}^ {k-1}}となる合ってるかな...

 

⑶ 2023の約数全ての逆数は、分母を2023にそろえると、

  \frac{2023}{2023}, \frac{2023÷7}{2023},...,\frac{1}{2023}   であるから、

 答 求める和は、\frac{約数の総和}{2023}=\frac{2456}{2023}・・・・・・・※

 (24567でも17でも割り切れないから、※は既約分数である。)

 

⑷ 2023=7×17^ 2より、求める自然数 n=7 (根号内が平方数になればよい)

 

⑸ \sqrt{2023+n^ 2}=k (kは自然数)とおくと、2023+n^ 2=k^ 2

 すなわち、2023=k^ 2-n^ 2=(k-n)(k+n)=7×17^ 2

 n>0よりk-n<k+nだから、(k-n, k+n)=(1, 2023),(7, 289),(17, 119)

  nが最小のとき、k-nk+nの差も最小だから、(k-n, k+n)=(17, 119)

 よって、求める自然数 n=51 (kn連立方程式として解く)

 

⑹ 2023=7×17^ 2を知っているなら31797, 17で割ってみる。

 知らなかった場合は様々な解き方があるが、基本的には互除法を用いる。

  3179-2023=1156, 2023-1156=867, 1156-867=289より、

 31792023の公約数は289=17^ 2の約数でもある。

  よって、それぞれを17^ 2で割って、求める分数は \frac{7}{11}

 

⑺ 一の位の数がわかればよいので、3^ {2023}の一の位の数を求めれば十分。

 3^ 1=3, 3^ 2=9, 3^ 3=27, 3^ 4=81より、一の位の数は周期43→9→7→1を繰り返す。2023=4×505+3より、求める数は 7

 

 

いかがだったでしょうか。小問はこれである程度対策できると思います。

 解説に不備があったりする場合は是非コメント等ご指摘をお願いします。

後半の解説はまた次回で.....

 (1月2日になってしまった...)

 

 

解説 (問題1 放物線と円)

昨日(今日)載せた自作問題の解答、解説です。

まだ問題を見ていない方は先にこちらを↓↓

 

⑵で手が止まると書きましたが、そもそも条件をうまく整理しないと⑴から難しい、

何なら知識次第では不可能な問題でした。方針としてはOA⊥OBを用いること、

OBの傾きが\sqrt{3}であることから有名三角形の存在がわかります。

以下に解答を示しますが、おそらくもう少しきれいな解き方があります(..)

(拙い解説になりますが、お許しください...)

 

 

解答

⑴ Bの座標は{(\sqrt{3},3)}であるから、OBの式は{y=\sqrt{3}x}である。

 ABは直径だから、∠AOB=90° すなわち OA⊥OB. 直線の直交条件より、

 (OAの傾き){×}(OBの傾き){=-1}.

 OBの傾きは\sqrt{3}であるから、

 (OAの傾き){=-\frac{\sqrt{3}}3}.

 したがって、点Aのx座標をa(a≠0)とすると

  a^ 2=-{\frac{\sqrt{3}}3}a.

  よって、a=-\frac{\sqrt{3}}3.

 放物線と2点で交わる直線の公式(正式名称教えて)より、求める直線ABの式は

  y=1×(\sqrt{3}-\frac{\sqrt{3}}3)x-1×\sqrt{3}×(-\frac{\sqrt{3}}3)

 すなわち、 y={\frac{2\sqrt{3}}3}x+1 (答)

 

⑵ 点Aのy座標は(-\frac{\sqrt{3}}3)^ 2=\frac{1}3である。

 点Aからx軸に垂線AHを下すと、

  OH=\frac{\sqrt{3}}3, AH=\frac{1}3 より、{AH:OH=1:\sqrt{3}}

 したがって、△AOHの3辺比は{1:2:\sqrt{3}}であるから、

  ∠AOH=30°.

 四角形OACDは円Cに内接しているから、円に内接する四角形の性質より

  ∠ACD=∠AOH=30°. (答)

 

⑶ 線分ABの中点(円Cの中心)をMとすると、その座標は、

 x座標・・・(\sqrt{3}+\frac{\sqrt{3}}3)÷2-\frac{\sqrt{3}}3=\frac{\sqrt{3}}3y座標・・・(3-\frac{1}3)÷2+\frac{1}3=\frac{5}3

 また、△ODMはOM=DMの二等辺三角形であるから、MからODに垂線MIを下すと、

 OI=DIとなる。よって、OD=2×\frac{\sqrt{3}}3=\frac{2\sqrt{3}}3

  すなわち、Dの座標は(\frac{2\sqrt{3}}3,0).  (答)

 点A, Bとy軸に関して対称な点A′, B′について、3点O, A′, B′を通る円をC'とする。

 このとき、円C'は円Cy軸に関して対称移動させたものになる。

 円C'について、放物線y=x^ 2との交点のうちO, A′, B′以外のものをC′、

 x軸との交点のうちO以外のものをD′とすると、放物線の対称性から

 (Cのx座標)=(D′のx座標)、(Dのx座標)=(C′のx座標)

 である。また、対称性からOD=OD’であるので、Cのx座標は

  (Dのx座標)×(-1)=-\frac{2\sqrt{3}}3

 よって、Cのy座標は(-\frac{2\sqrt{3}}3)^ 2=\frac{4}3

  すなわち、Cの座標は(-\frac{2\sqrt{3}}3,\frac{4}3) (答)

 

⑷ (CDの傾き)=\frac{0-\frac{4}3}{\frac{2\sqrt{3}}3-(-\frac{2\sqrt{3}}3)}=-\frac{\sqrt{3}}3=(AOの傾き)

 すなわち、CD//AOであるから、四角形OACDは台形である。

 円に内接する台形は等脚台形であるから、四角形OACDは等脚台形である。

 したがって、求める直線ℓはCDの垂直二等分線である。

 線分CDの中点をNとすると、(Cとy軸との距離)=(Dとy軸との距離)より、

 点Nはy軸上にある(Nのx座標は0)。 Nのy座標は、  {\frac{4}3}÷2=\frac{2}3.

 また、求める直線ℓについて、ℓ⊥OAであるから、ℓ//OB

  よって、ℓの傾きは\sqrt{3}、切片は(点Mのy座標)=\frac{2}3.

  すなわち、求める直線は  y=\sqrt{3}x+\frac{2}3. (答)

 

 

 

解いてみたら思ったより難しいわけでもなく、良問とも言えないかな~と思いました。

もっと楽にOA//DCを示せる気がするんだよなぁ。何か見落としてるのかな。

 有識者の方、見解をお願いします(丸投げ(._.)

 

次回に向けて問題作っときます(或いは、良問探し)。

 

(関係ないけど数式入力超面倒くさい)